三国与太噺 season3

『三国志演義』や、吉川英治『三国志』や、日本の関帝廟なんかに興味があります。

毛宗崗本のこと

毛宗崗本における貂蝉の最期

同時代の語り物に比べて、『三国志演義』は貂蝉をきわめて高く評価しています。とくに毛宗崗本『演義』はその傾向が強く、以下のように貂蝉を麒麟閣・雲台(漢の功臣)に匹敵しうる英雄と位置づけています。このことは多くの先行研究で検討されてきました*1…

毛宗崗本における華佗の最期

以下は立間祥介訳『三国志演義』第七十八回の一段落である。 頭痛に悩まされる曹操は、神医と称される華佗を辟紹して治療にあたらせる。以下を読んで問いに答えよ。 華佗の言うには、 「大王(曹操)の頭痛は風がもとで起こったものでございます。病根が頭の中…

『三国志演義』龐徳の兄嫁殺し

もうひとつ、龐徳の人柄を考える上ではこの件も興味深いです。曹操への忠義を示すため「蜀の兄嫁気に入らないから殺したった。だから兄とはつながりは無い」と殺人告白する演義龐徳さんはかなりな危険人物。— 穀潰さん (@gokutubusi354) 9月 29, 2012 作中、…

『三国志演義』李卓吾本における龐徳評

こないだ、龐徳が「毛宗崗本」にて思わぬ酷評をされていたことを書きました。 ―『三国志演義』毛宗崗本における龐徳評 そいでその記事は、こんな感じにコメントを頂戴して、まとめに入れていただいたりもしました。どうもありがとうございます。 ―ここが変だ…

『三国志演義』毛宗崗本における龐徳評

『演義』における龐徳の最期は、みじめに降伏した于禁と違い、堂々と関羽と戦い、そして曹操への忠義で死んでいった・・・とずっと思っていたのですけど、どうやら違うらしいとのウワサを最近聞きました。 そこで、現在の『演義』を編纂した毛宗崗が、この件…