第3回 「より深く理解するための「三国志」講座」
工学院大学孔子学院開講講座
――より深く理解するための「三国志」講座
第三回「『三国志』は中国でいかに語られてきたか」
田中 靖彦(大東文化大学講師)
田中靖彦(たなか やすひこ):1977年生。東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得修了。現在、大東文化大学非常勤講師。共著に『三国志の舞台』(山川出版社)『漢文講読テキスト 三国志』(白帝社)。
参考リンク(より深く理解するための「三国志」講座)
http://www.kogakuin.ac.jp/cik/course/2010/sep/b_sangokushi.html
今週も行ってきたぞぉ。
今回の講座は今までで一番、ぼくの興味にストライクにハマってきました!大変、勉強になりました。
えーっと、今回の講師田中靖彦先生ですね、もちろんお名前は『三国志の舞台』読んだことありますし、この前の三国志学会でちょっとだけお会いいたしましたので、知っておりましたが、研究されている内容まではちょっと存じ上げておりませんでした。ので、第三回のサブタイトル「『三国志』は中国でいかに語られてきたか」を聞いた時、中国における三国志の受容史といいますか、歴史か文学かと言ったらどっちかってーと文学の話になるのかなー、なんて話を前回ご一緒だった方と話したりしてたんですが、いや全然違いました。
各時代ごとの王朝なりが、いわゆる正史『三国志』を、ひいては魏王朝と蜀漢をどのように受け止めていたのか、そして正統論はいかに誕生したか、というお話でこれはかなりあっついですよ。
今回の講義の内容は田中先生の以下の論文、
「澶淵の盟と曹操祭祀――真宗朝における「正統」の萌芽」
「『漢晉春秋』に見る三國正統觀の展開」
特に前者の方がベースになっていたそうでして、こちらは今年1月に発表されたばかり、しかも今年の東方学会賞を受賞されたとかで、正統論やその周辺の研究としては最新のものと言ってもいいほどのものだったのかもしれません。いやぁーいいお話を教えていただけました。
今回の細かい感想などは上記論文を読んでから改めて記事にしたいなと思いますが、ともかく唐宋変革の前後で王朝の魏王朝と蜀漢の捉え方がどのように変わったか、というのが最大のポイントだったと思います。ご興味持たれた方がいらっしゃいましたら、上記論文はどちらも『東方学』に収録されていますのでぜひ探してみてください。そいでぼくに教えてください。
※参考リンク(CiNii)
http://ci.nii.ac.jp/nrid/9000010052388
さて次回の「より深く理解するための「三国志」講座」は2週間後の19日金曜日、いらっしゃるのはご存知の方もたくさんでしょう、林田愼之助先生で「『三国志』と乱世の詩人―建安文学をめぐって」です。関東で林田先生のお話を聞ける機会は滅多にないとのことですので、また金曜日にwktkする日々が続きそうですね。