三国与太噺 season3

『三国志演義』や、吉川英治『三国志』や、日本の関帝廟なんかに興味があります。

村上春樹「僕と鼠」の年表

作中の出来事そのものではなく、作中の出来事の周辺にある、因果関係がありそうなものを選びました。
とは言えそれでもほとんど網羅しているはずです。
また特に60年代と70年代の区切りを意識しながら作りました。


作中での時期と、作品そのものの初出は以下の通り
※1970.8.8〜26 『風の歌を聴け』(初出:1979)
※1973.9〜11 『1973年のピンボール』(初出:1980)
※1978.9〜11 『羊をめぐる冒険』(初出:1982)
※1974.4〜19??.11 「双子と沈んだ大陸」(初出:1985)
※1983.3〜6 『ダンス・ダンス・ダンス』(初出:1988)



1879.アイヌの青年ら開拓団が十二滝町へ至る(羊)
1905.羊博士誕生(羊)
1909.デレク・ハートフィールドが生まれる(風)
1913.先生が生まれる(羊)
1922.アイヌの青年が亡くなる(羊)
1925.先生が十二滝町を離れる(羊)*1
1934.ピンボールが発明される(73)
1935.7月、羊博士が羊つきになる(羊)
1936.2月、羊博士が帰国する(羊)
    春、先生が羊つきになる(羊)
1937.羊博士が十二滝町に牧場を開く(羊)
1938.8月、デレク・ハートフィールドが亡くなる(風)


1948.12/24、僕が生まれる(風)
1949.1/12、村上春樹が生まれる
1953.鼠の父親が十二滝町の牧場兼別荘を手に入れる(羊)
1954.初代ジェイズ・バーが開店(羊)


1960.ユミヨシさんが生まれる(ダンス)*2
1961.直子が「井戸のある街」に移り住む(73)
1962.デレク・ハートフィールドに出会う(風)
1963.ケネディ大統領暗殺
    二代目ジェイズ・バーが僕の街に開店(羊)
1965.ジェイズ・バーに初めて行く(羊)
1966.黒服の男が先生の秘書になる(羊)
1967.鼠がジェイズ・バーに初めて訪れる(73)
    春、鼠と出会う(風)
    東京の大学に入学する(風)
1968.僕の兄がアメリカへ渡る(風)
    ピンボール「スペースシップ」が生産される(73)
    「いるかホテル」が開業する(羊)
1969.仏文科の女の子と付き合い始める(風)
    直子から故郷の話を聞く(73) *3
    夏、帰省。ジェイズ・バーで鼠と会う(風)*4
    鼠が本を読むようになる(風)
    秋、誰とでも寝る女の子と出会う(羊)
    11月、第三機動隊が大学の九号館に突入(73)


1970.ユキが生まれる(ダンス)*5
    4/4、仏文科の女の子が自殺しているのが発見される(風)*6
    春、鼠が大学を辞める(73)
    8/8、帰省をする(風)
    鼠が小説を書き始める(風)
    鼠がピンボールへの意欲を失い始める(73)
    秋、誰とでも寝る女の子と初めて寝る(羊)
    冬、ピンボールに熱中する(73)
1971.2月、ピンボールを辞める(73)
    夏、帰省をする?(風)*7
1972.春、相棒と共に小さな事務所を構える(73)
1973.双子の女の子が住み着く(73)
    5月、直子の故郷を訪ねる(73)
    10月、配電盤を葬る(73)
    11月、「スペース・シップ」と別れる(73)
    鼠が街を去る(73)


1974.事務所の女の子が結婚をする(羊)
    4月、再び双子の女の子を目にする(双子)
    5月、三代目ジェイズ・バーが開店(羊)
    事務所の女の子が離婚をする(羊)
    事務所の女の子と結婚をする(羊)*8
1978.春、先生から羊が抜ける(羊)
    2月、鼠が「いるかホテル」を訪ねる(羊)
    3月、鼠が十二滝町に移る(羊)
    5月、鼠から手紙と羊の写真が届く(羊)
    6月、鼠との約束のため街に帰る(羊)
       離婚する(羊)
    7月、誰とでも寝る女の子が亡くなる(羊)
    8月、すごい耳を持つ女の子と出会う(羊)
    秋、『風の歌を聴け』を書く(風)*9
    11月、僕と鼠がジェイズ・バーの共同経営者になる(羊)
1979.5月、いわしが亡くなる(ダンス)


1980.2月、双子の女の子と何らかの関係がある年*10
1981.五反田君とキキが接触する(ダンス)
1983.3月、ふたたびいるかホテルを訪ねる(ダンス)
    4月、ユキとハワイに行く(ダンス)
    6月、ふたたびドルフィン・ホテルを訪ねる(ダンス)

*1:つまり先生は、アイヌ人青年のことを直接に知っていることになります

*2:彼女が60年に生まれたことについては、「登場人物」のユミヨシさんを参照

*3:直子と仏文科の女の子の関連性については「登場人物」を参照

*4:69年夏のことについては、「『風の歌を聴け』のあらすじ」の第五段落を参照

*5:彼女が70年に生まれたことについては、「登場人物」のユキを参照

*6:仏文科の女の子が亡くなった時期については、「登場人物」の仏文科の女の子を参照

*7:71年夏の帰省については、「『風の歌を聴け』のあらすじ」の第十段落を参照

*8:妻との結婚時期については、「登場人物」の妻を参照

*9:この項目を年表にいれていいか微妙ですね。僕が『風の歌を聴け』の文章を書いたことについては他の作品では触れられていませんし、『風の歌を聴け』第三十九段落は他の作品と矛盾する箇所がいくつかあるので、ある意味この出来事は作品年表とはちょっと別におくべきなのかもしれません。

*10:彼女らについては、「登場人物」の双子の女の子を参照