司徒荀爽
『三国演義』第六回にて、董卓が提案した遷都の計画を三公が揃って反対する場面がありますが、何故かそこで荀爽の官職が司徒となっているのです。直前に同じく反対意見を述べた楊彪も司徒と記されていますので、わずか数行のうちに司徒が二人も並ぶ始末、明らかな誤字です*1。
しかしこの誤字は通行本である毛宗崗本に限らず、いくらかの版本でも確認できました。
【司空荀爽】
嘉靖本・葉逢春本・鄭少垣本・劉龍田本・志伝評林本・劉龍田本
【司徒荀爽】
周曰校本・李卓吾本・毛宗崗本・劉栄吾本
司徒派は毛宗崗本をはじめ、中川先生のおっしゃるところの「二十四巻系」が多いように思えます。
しかし一方で同じく二十四巻系にして現存最古の嘉靖本は司空派です。また二十四巻系からはかなり遠いと思われる劉栄吾本が司徒。
もっといろんな版本を見てみたいと思うのですが、比較的手軽に閲覧できるとこってありませんかねぇ、、