三国与太噺 season3

『三国志演義』や、吉川英治『三国志』や、日本の関帝廟なんかに興味があります。

吉川英治『三国志』の初版本






(*´ω`*)ドヤァ・・・


 昭和15年に大日本雄弁会講談社より出版された、吉川三国志の初版本!
 なかなか手に入らないと思われる初収本の、さらに初版です。国会図書館でも初収本は読めるんですけど、しかし何巻か欠落があり、また初版ではなく昭和17年の再版のものなのです。国会図書館にすらない正真正銘に"最初の"吉川三国志。これはかなり希少なのではないでしょうか?


と言いましても、そんなコレクション的な価値以上に重要なのが、これが数ある吉川三国志エディションの中でも最も興味深い、唯一戦前に出版された物であるということなんですよ。
 つまり執筆当時の世情を色濃く反映している可能性があり、現行の流布本と本文校合して一番面白そうなのがこれなんです。現にその序文が流布本と異なることは以前に紹介した通りです。
 だからそういう作業のため、いちいち国会図書館であの煩わしい手続きをしてやるでなく、自宅で傍らに置いてできてしまうということは、大変に有り難く便利なのですよ。


 今週から新橋駅前広場では古本市をやっているようでして、この本はそこに並んでいました。吉川三国志は他にも六興出版のものや吉川英治文庫のものもあったんですが、その中でも最も安価の1400円でした。古本の相場は知りませんけど、かなり破格なのでは思います。
 たまたま京浜東北線の窓から見掛けた古本市で、ちょうど卒論テーマに関する重要な資料(だといいな)をたまたま見つけられるなど、まさに天啓と言うべき発見でした。