関羽の剣
こないだ雲子春秋さんが取り上げていた『古今刀剣録』は関羽の剣についても書いています。
『古今刀剣録』
關羽、先主の重ずる所と為り、身命を惜しまず。采都山の鉄より二刀を為し、銘して曰く"萬人"。羽敗るるに及び、刀を惜しんで之を水中に投ず。
銘の「萬人」の元ネタは『三国志』関羽伝の「萬人之敵」でしょうかねー。
それより気になるのは「羽惜刀、投之水中」っていう刀の最期です。
関羽説話において、その最期にあって青龍偃月刀を水中に還すってシーンを結構見たことがある気がするんですよ。
そこでちょっと探したら、『花関索伝』で「赤兎馬が青龍刀を引いて水中に飛び込み、その直後関羽も死ぬ」ってシーンがあるそうです。たぶん僕が見たのはこれです。それに、たしかどっかの『三国志演義』の版本でも、そんな感じの場面があったと思うんですよね・・・たぶん嘉靖本・・・。
しかし言わずもがな、聖剣が水中に失われるってモチーフは世界にいっぱいあると思います。セイバーアーサー王のエクスカリバーがその最も有名なところでしょうか。『古今刀剣録』の中でも鍾会の剣がやはり同様の最期で描かれてます。
でもどうでしょう、これを関羽にまつわる聖剣伝説の原型のひとつと見ることはできそうにないですかねー、