京都大興寺、日本最古の関帝像か
はじめて知りました。
京都の大興寺というところに、足利尊氏が取り寄せたという関帝像があるらしいですよ。
日本最古、かもしれないとのことです。
http://www.asahi.com/and_M/information/gallery/20130329syaji/07.html
http://www.zekkeikana.com/kyoto/sakyoku/daikoji/daikoji31.html
http://blogs.yahoo.co.jp/kotokyoto26jp/9282674.html
ググるとけっこう出てくるので有名らしいですけど、ただ三国志サイトはそんなヒットしないので、ファンにはあんまし知られていないかも。
関帝像に限らず、戦国時代以前の三国志文物というのはとても貴重です。
というか尊氏の時代なら14世紀初頭のものですから、アジア全体を見ても現存するものとしてかなり古い部類の関帝像だと思います。現存最古とされる関帝画はこれ。金代のものとされています。
ちなみに京都の関羽と言えば、黄檗宗萬福寺の伽藍堂に安置される関帝菩薩があります。
http://cte.main.jp/newsch/article.php/3
関帝信仰の歴史は、唐代に伽藍神として仏教側から祀られたことに始まるとされています。今では道教側のイメージが強いですけどね。唐寺である萬福寺に関帝がいるのはそのためです。
この関帝像は僕も見たことありますけど、江戸初期に建立されたそうなので、そんなには古くないです。
同じく江戸初期の唐寺である長崎の崇福寺、興福寺にも伽藍神として関帝がいるそうです。
http://kakutei.cside.com/san/tan/search/nagasaki01.htm
http://kakutei.cside.com/san/tan/search/nagasaki02.htm
で、僕が何より気になるのが関平像と周倉像です。
上記リンクの画像によれば、長崎の崇福寺、興福寺には現代とほぼ変わらない関平像周倉像があるらしいです。
しかし大興寺の画像を見ると、二体の武人像はありますが、僕にはこれが関平と周倉だとはちょっと思えません。
右の武人は武具(?)を持ち、左の武人も両腕の形状から何らかの武具を持っていたことが予想されますが、かと言ってそれが青龍偃月刀を持つ周倉像とは言い難い。また両者の容貌に差異はなく、関平像周倉像の特徴(髭がない白い顔、虎髭に黒い顔)も見られません。
現存最古の関帝画や『三国志平話』のことから、元代以前の関帝信仰においては関平・周倉はまだ結びついていなかったのでは、と僕は疑っています。
大興寺の関帝像も、その一例となるかもしれません。