三国与太噺 season3

『三国志演義』や、吉川英治『三国志』や、日本の関帝廟なんかに興味があります。

『全相平話三國志』人物事典

 去年のお正月、『三国志平話』に登場する全人物の紹介を書きました。
 http://d.hatena.ne.jp/AkaNisin+z-s-h/

 それがひょんなことから、今年の『三国志研究』九号に載してもらうことになりました。
 袴田郁一「『全相平話三國志』人物事典」ってやつです。

 しかしブログで書いたやつはさすがにメモに毛が生えた程度のもんですので、ちょっとでも毛並みが良くなるようあれこれ手を加えました。先行する『平話』研究をなるだけ網羅し、それに新しく「雑劇」との比較を添えました。
 「雑劇」は、元代に流行した音楽劇です。その中には三国志を題材としたものも結構あり、しかも十あまりの台本が現存しています*1
 同じ時代に成立した『三国志平話』とは三国志観で共通するところもあり、物語として断片的な『平話』の不足を「雑劇」で補完することもある程度は可能です。そのため『平話』を読むためには必須の資料なのですが、案外知られていない気もします。

 そんな感じで『平話』や「雑劇」を踏まえることで、『演義』が成立する以前の粗雑で素朴な三国志物語の姿を表現できるよう努めたつもりです。
 もとより門外漢が作った与太モノですが、『平話』を読まれる際のついでに、そばにでも置いといていただけると幸せです。


 ついでに、今週末の三国志学会京都大会にて、「吉川英治三國志』における人物形象 −「三絶」を中心に」って題目で喋らせてもらうことになってます。
 http://sangokushi.gakkaisv.org/taikai.html
 3年前の卒論テーマをいまだに引きずっててお恥ずかしい限りで、お前の専攻は東洋哲学じゃなかったのかと熱い声援をすでにいただいてます。いい加減この辺でケリを付けたいですけど、、
 でもなんとか、面白い話ができるようがんばりますので、よろしければこちらもどうぞお願いします。

*1:現存する三国劇を集めて翻訳したものに、井上泰山先生の『三国劇翻訳集』(関西大学出版部、2002)があります。