三国与太噺 season3

『三国志演義』や、吉川英治『三国志』や、日本の関帝廟なんかに興味があります。

呂玲綺にまつわる略年表【暫定版】

 先日の関銀屏に続き、呂布の娘であるという呂玲綺の足跡も追っていきます。
 相変わらず各種メディア方面の三国志には弱いので、いろいろ教えてくださると幸せです。


2003.6
コーエーの歴史シュミレーションゲーム「三國志戦記2」が発売される。
本作では、呂玲綺なる呂布の娘が登場する。
呂布の娘をクローズアップしたのは、おそらく本作が初めてでは?

2004.9
コーエーのシュミレーションゲーム「三国志Ⅸwith パワーアップキット」のPS2版が発売。
旧版に比べ、呂玲綺が追加された。

2005.10
SEGAのアーケードカードゲーム「三国志大戦」がver1.1にバージョンアップ。
新カードとして、【203】SR呂姫が追加された。

2006.3
コーエーの歴史シュミレーションゲーム「三国志11」が発売される。
本作ではデフォルトで呂玲綺が登場する。

2006.5
アーケードカードゲーム「三国志大戦2」が稼働。
前作に引き続き【涼027】SR呂姫が登場する。

2007.12
アーケードカードゲーム「三国志大戦3」が稼働。
前verのカードをリニューアルした【群030】R呂姫が排出された。

2009.7
ソーシャルゲームブラウザ三国志」サービス開始。
おそらく呂布の娘であろう呂氏が登場する。

2012.6
SEGAのカードゲーム「三国志大戦TCG」の第2弾ブースターパックが発売。
【蜀2-094】SR呂布が封入される。

2012.9
中国映画「銅雀台」(邦題「曹操暗殺 三国志外伝」)公開。
ヒロインである霊雎は、呂布の遺児という設定だった*1

2013.8
アプリゲーム「三国志パズル大戦」(通称「さんぱず」)が配信開始。
呂姫が登場する。
本作は、呂姫を貂蝉に並ぶ女性の看板キャラクターとしているらしく、他の女性キャラクターに比べても露出機会が多い。

2013.11
アクションゲーム「真・三國無双7 with 猛将伝」が発売される。
新たなるプレイアブルキャラクターとして呂玲綺が参戦する。




 呂玲綺のキャラクター像について。
 ご存じの通り、そもそも「呂布の娘」という人物自体は正史『三国志』にも『三国志演義』にも登場します。
 しかし袁術の息子との政略結婚にて名前が挙がる彼女は、ごく普通の少女のように見えます。『演義』十九回では、呂布は娘を背負って曹操軍の包囲を突破しようとしたが、娘が怪我することを恐れて十分に戦えなかった、とあります。あるいは『演義』を踏襲する『吉川三国志』でも彼女の様子は同様であり、加えて幼い妹と戯れる場面、呂布の背で恐怖に震える場面などが増されています。
 それが上記の「三國志戦記2」以降、「呂布の娘」は複数のメディアで登場していますけど、いずれも父にも劣らぬ女傑として描かれてきました。
 女性キャラクターを登場させるにあたって、父たる人物の生き写しのように描く。
 この姿勢は呂玲綺に限ったことではなく、特に三国志大戦みたいなキャラゲーではより顕著でした。前にブログで書いたことがあるんで、よろしければご覧ください
 この点で呂玲綺は、従来の人物像を捨ててまでそのスタンスを求めたということで、その代表的存在なのかもって今のところ考えてます。

*1:なお霊雎という名前は、もしかしたら日本の呂玲綺に由来するのかもしれない。中国のネット上に「霊雎(lingju)」と「玲綺(lingqi)」の音が似ているという指摘があった