三国与太噺 season3

『三国志演義』や、吉川英治『三国志』や、日本の関帝廟なんかに興味があります。

レジュメ「『吉川三国志』成立の過程と環境」

 昨日までゼミに行っておりまして、これはそこで発表した時のレジュメです。
 ぼくのレジュメなんでクオリティはアレなんですけど、せっかく作ったのにゼミ発表で使うだけじゃもったいないと思いまして、ぱなしておきましょう式ですね。


  http://wiki.livedoor.jp/akanisin/d/%a5%ec%a5%b8%a5%e5%a5%e1%a1%d6%a1%d8%b5%c8%c0%ee%bb%b0%b9%f1%bb%d6%a1%d9%c0%ae%ce%a9%a4%ce%b2%e1%c4%f8%a4%c8%b4%c4%b6%ad%a1%d7








 発表の方向としましては、『吉川三国志』が様々な形で当時の日中戦争と深く関わっていたことを強調しつつ、しかし作品そのものは、いわゆるプロパガンダナショナリズムによる偏向を持たない、という結論に持っていこうと考えておりました。
 吉川英治の戦争協力は、尾崎秀樹さんや松本昭さん、吉川英明さんによる伝記を読めば詳しくあります。しかし作品と戦争の関係について挙げた、村上・吉川・弓館の三"三国志"の序文についてはなかなか目にすることが少ない資料かと思います。
 吉川英治は海軍との関係が深く、軍部からの要請で執筆、講演を行うことも多々あったようです。そのような人物が戦時中に、専門家でさえ停滞史観・皇国史観に振り回されていたあの時代に、戦争相手国の古典文学を扱うというのはどういう意義があったのだろうかと考えながら発表をしました。