三国与太噺 season3

『三国志演義』や、吉川英治『三国志』や、日本の関帝廟なんかに興味があります。

2011-03-01から1ヶ月間の記事一覧

時には昔の話を… 【孟不令休】

『三輔決録』にいう。伯郎は涼州の人で、名を不令休といった。その注にいう。伯郎の姓は孟、名は他、扶風の人である。(『正史 三国志1』ちくま学芸文庫) 孟達の父、孟他。またの名前を孟不令休。 不令休?まさかの三字名? この疑問をかつて「三国志博物館…

架空の兄 【曹喬】

曹操の兄にして、曹安民の父とされる人物。もちろん創作上の人物かと思われますが、ネット上の百科事典などでしばしば見かけます。 そこで改めて検索してみますと、主に以下のようなサイトさんが挙がってきました。 ・My三国志 http://my3594.net/wiki/%E6%9…

雑喉潤『三国志と日本人』

三国志と日本人 (講談社現代新書)作者: 雑喉潤出版社/メーカー: 講談社発売日: 2002/12メディア: 新書購入: 2人 クリック: 7回この商品を含むブログ (7件) を見る近頃吉川々々と言ってましたら、ツイッターにて薦めていただいた一冊です。先日から挙げている…

『三国志平話』における蒋雄、ほか

全相三国志平話作者: 立間 祥介出版社/メーカー: 潮出版社発売日: 2011/03/17メディア: 大型本 クリック: 21回この商品を含むブログ (7件) を見る ついに出ましたね! コーエーから出されていた中川先生・二階堂先生の訳本が長らく絶版になっておりましたん…

『吉川三国志』と『通俗三国志』の関係

『吉川三国志』が『通俗三国志』に影響されていることは、魏延暗殺未遂や漢の寿亭侯など、現代のぼくらが普段手に取る「日本語訳『三国志演義』」にはない、李卓吾本特有のエピソードを盛り込んでいることからよく知られています。 ですがさらに細かく見ます…

続・孫韶、出自の謎

昨日の記事の続きで孫韶です。 「三国与太噺」孫韶、出自の謎 『三国演義』第七回の一文、 「堅又過房兪氏一子,名韶,字公禮。」 はこれまでの『演義』日本語訳においてどのように訳されてきたのか。自分が閲覧できた限りの日本語訳『三国演義』で調べてみ…

孫韶、出自の謎

(孫堅の)兪氏という寵妾にも、ひとりの子があった。孫韶、字は公礼である。(吉川英治『三国志』*1 ) そもそもは、この吉川孫韶の意外な出自設定に疑問を覚えたことが始まりでした。孫韶が孫堅の妾の子だなんて、ちょっと聞いたことないなと思ったんです。 孫…

吉川英治『三国志』(2-b) 〜黄巾の乱

北方、宮城谷、蒼天航路、無双、、、 などなど各ジャンル様々な"三国志入門"が躍動する現代にあってもなお色褪せない吉川三国志を改めて読み返してみた感想です。 今日は黄巾の乱の続き。 ●朱儁将軍 「ははあ。何処で雇われた雑軍だな」と、朱雋は、しごく冷…

吉川英治『三国志』(2-a) 〜黄巾の乱

北方、宮城谷、蒼天航路、無双、、、 などなど各ジャンル様々な"三国志入門"が躍動する現代にあってもなお色褪せない吉川三国志を改めて読み返してみた感想です。 今回は黄巾の乱まで。 ●劉備・関羽・張飛の容貌 腰に一剣、みすぼらしい身なり、眉は秀で、唇…

吉川英治『三国志』(1) 〜桃園決義

北方、宮城谷、蒼天航路、無双、、、 などなど各ジャンル様々な"三国志入門"が躍動する現代にあってもなお色褪せない吉川三国志を改めて読み返してみた感想です。 ●吉川三国志と『三国志演義』の関係 吉川三国志は随所随所にオリジナルを仕込んでいますが、…