『李毛異同(7)』 ‐諸侯十八鎮の紹介
曹操檄文を発し去後、各の鎮する諸侯、皆な兵を起こし相応ず、第一鎮、後將軍南陽太守袁術。第二鎮、冀州刺史韓馥。第三鎮……。(「毛本」第五回)
「毛宗崗本」は諸侯十八鎮の紹介に際してその官爵を書くのみですけど、「李卓吾本」では対句にてその人の性格も紹介してます。つまり、
「第一鎮、交遊豪傑結納英雄、後将軍南陽太守袁術字公路」
ってな具合です。ヒーローの名乗りみたいかっこいいです(笑)
残りの十六鎮も以下の通りです。
「貫通諸子、博覧九経」韓馥。
「高談潤論、博古通今」孔伷。
「孝弟仁慈、屈己待士」劉岱。
「仗義疎財、揮金似土」王匡。
「賑窮救急、志大心高」張邈。
「恩恵及人、聡敏有学」喬瑁。
「忠直元亮、秀気文華」袁遺。
「有謀多智、善武能文」鮑信。
「聖人宗泒、好客禮賢」孔融。
「武藝超羣、威義出衆」張超。
「仁人君子、徳厚温良」陶謙。
「名鎮羌胡、聲聞華夏」馬騰。
「聲如巨鐘、丰姿英偉」公孫瓚。
「随機応變、臨事勇為」張楊。
「英雄冠世、剛勇絶倫」孫堅。
「四世三公、門多故吏」袁紹。
文官系の人物は「九経に博覧す」とか「義に仗り財を疎かとす」とか「己を屈し士に待す」など、いかにも儒者っぽさがにじみ出るキャッチコピーですね。対して後半に並ぶ猛将たちは「名は羌胡を鎮め、聲は華夏に聞こゆ」「聲は巨鐘の如し」「剛勇絶倫」などなど勇ましい。まあ今後とも活躍する猛将たちばかりですしねー。
この中でも僕が一番気にいったのは陶謙の「仁人君子、徳厚温良」ですね(笑)
ですよねー、陶謙はまったく君子にして徳の厚いお方です(笑)