「三国志 Three kingdoms」全95話を観る その4
◆関羽vs華雄
『演義』では、序盤きっての見せ場である関羽対華雄の一騎討ちを、あえて直接描写しないという手法がとられています。カメラを諸侯の本陣に据え置いたまま、陣太鼓の響きや鬨の声という音の効果によって関羽の勝利を表現してるんです。TKも、せっかくならそれに倣ってもよかったんじゃないかな。あんま殺陣うまくないんだし。
◆袁隗邸襲撃
曹家虐殺、呂家虐殺に続いて第4話でもう3度目の虐殺シーン。殺伐!
あとここで処刑されてる袁隗は、第1話で曹操を小馬鹿にして逆にやり込められた人ですね。因果応報。
◆曹仁と曹洪
序盤での曹操の側近役です。まだ荀紣たちがいないですから。
日本の作品だと、何となくこういうときは夏侯惇がその役になりそうな気がします。『蒼天航路』がまさにそうでしたし。曹操の身内代表といえば夏侯惇です。
しかし曹仁・曹洪みたいな弟分の方が、ちょっとした太鼓持ちって感じになって曹操がより偉ぶって見えますね。
◆曹操と劉備の問答
乱世の到来を歴史の必然とし、また雄飛のための好機と見る曹操。
乱世を人心の乱れによるものとし、天下の安寧と漢室再興を目指す劉備。
天下取りを目指し、そのための権謀術数とそれを支える人材を重んじる曹操。
天下安寧のため、仁、義、忠、孝という礼の復興を重んじる劉備。
劉備は諸侯の我欲を糾弾するとともに、それこそが人心の乱れであり、乱世の元凶と主張します。
前回から謎めいていた劉備の真意の一端が明らかにされる場面でした。
権謀で天下を取ろうという曹操と、仁義で天下を治めようとする劉備の対比がとてもわかりやすかったです。
それでいてTKの劉備は『演義』のような仁者劉備とも違って、曹操に面と向かって啖呵を切ったり、また自分が護持する仁のあり方に自覚的であるなど力強さを感じさせますね。
◆孫堅を調略する李儒
ここで孫権を登場させるのは面白いですね!
その孫権にとことんコケにされる董卓軍一の智嚢。
シーンとしては面白いですけど、そういう情けない役回りは李粛とか牛輔に回してほしかった。TKの董卓陣営は全体的にコミカルなバカっぽさがあって、邪悪さとか暴虐さが足りないです。
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2015/10/01
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