三国与太噺 season3

『三国志演義』や、吉川英治『三国志』や、日本の関帝廟なんかに興味があります。

三国志blog of the Mar

 3月に更新された三国志ブログさんのうち、僕が楽しいなと思ったものを集めました(・ω・)


「北洋軍閥演義」-塩はうまくてまずいです(3/1)

 あまり知られていない近代中国の動乱期について、「北洋軍閥の存在を中心にして、ゲーム風味で紹介された記事です。「民国創建のエライひと」って程度のイメージの孫文が、あんなに大変なことになっていたとは(笑)
 僕もちょうどこの時代に興味を持っておりまして、このシリーズは大変勉強になりました。
 と言うのも僕が今関心を寄せている『反三国志演義』は同時代中国の影響を濃く受けている作品でして、本作を読み込む上で当時の中国情勢に関する知識は欠かせないんですね。それでこのシリーズで扱われた1916年から1930年という時期は、『反三国志』が連載された時期とまさしく合致する訳です。
 その他にも、袁世凱の存在感、満州事変に至るまでの大陸情勢なんてのもよくわかりまして、まったくちゃんと中国史全体を知らないとダメだなと思いました。

「虎の別名」-てぃーえすのワードパッド(3/8)

 お馴染みてぃーえすさんより。『風俗通』に曰く、虎はかつて「李」という男が変身したものだという話です。
 となると連想するのは、市場にもある通り、、中島敦の『山月記』、そしてその元ネタである「人虎伝」ですね。この虎に変化した男の名前が「李徴」であったことにはこの様な理由があってのことでしょうかねー。もちろん当時の王朝が李氏の唐王朝だったことにも関係しているのでしょうけど。

「張華の博物誌(3.23)」-◇古代中国奇書館◇(3/13)

 西晋の張華『博物志』の全訳をされているブログさんです。最近翻訳されているとこは珍妙な民族、生物なんかがたくさん出てくるので楽しいですねw
 んでこちらの記事で紹介されているのは、孫権の食べ残しから生まれたっつーユニークな魚( ゚д゚)!
 今でも切り傷の名残がある、ってのが最高に面白いですw
 ちなみに『博物志』ではこの他にも三国時代の人物が顔を見せるエピソードが豊富にあるそうでして、なので古代中国奇書館さんの今後の翻訳作業が楽しみですねー。

「劉備と諸葛亮と劉封と孟達と蒯祺」-雲子春秋(3/23)

 雲子さんより、蜀漢における孟達の立場について意外な見解です。またツイッターでも指摘されていましたが、ここまでの立ち回りをした孟達をなお自陣に引き込もうとした諸葛亮にも驚きを感じます。
 それに、つくづく諸葛亮は有力近親者たちと行動を共にしなかったのだな…と。諸葛亮はもともと劉表政権下の荊州有力氏族の少なからずと近しい関係にありましたけど、その様な人々のほとんどは曹操勢力へと移っています。逆に孔明と共に劉備の方へ行ったのは誰でしたっけね、、、

「祭酒について」-Dr.きのこるの もうゴールしてもいいよね…?(3/25)

 漢代の「祭酒」という存在の根源的な性格について、大淵忍爾先生の『道教史の研究』などを元に考察を試みられている記事です。
 祭酒、と言えば三国志ファンにとっては軍師祭酒について気になるところですけど、それについても記事で触れられています。
 自分はこの様な在地社会の礼制度についても軍の制度についても疎いものですので、とても勉強になった記事でした。また西嶋先生の爵制の話とからめられていたのも興味深いですね…。